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(目次)
1 このインタビューについて
2 インタビュー
3 記念写真
4 注釈
1 このインタビューについて
フロシャウアーさんは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に所属されているヴァイオリニストで、ウィーン・フィルハーモニーの来日公演のために2003年11月に来日されました。来日直前に「お茶でもどうですか。宿泊先はここなので、連絡をください」というメールをもらい、11月15日(土)に会ってきました。
この日の出来事の詳細は管理人近況欄(11/16)に記しました。ここでは、フロシャウアーさんから伺ったお話の内容をより詳細に記載することにしました。
フロシャウアーさんの詳しい経歴については、アリスタ・トリオの日本語Biographyに書いてありますので、そちらを参照してください。フロシャウアーさんのCDが発売されていますので、興味のある方は買って聞いてください。
アリスタトリオ(Arista Trio)のCD
【1】ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番 「幽霊」 第7番「大公」
【2】シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番
鳥羽泰子さん(Yasuko Toba, piano)とフロシャウアーさんのCD
【3】モーツァルト「ピアノとヴァイオリンの為のソナタ」
【4】ベートーヴェン「ピアノとヴァイオリンの為のソナタ第5番 第7番 第8番」
【5】ヴァイオリンとピアノのための組曲(2000)/ヴァイオリン・ソロの為の日本の調べ
【6】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」 他
2 インタビュー
(聞き手:岡本(びんわ)、通訳:石山さん)
―― はじめまして。今夜は会う時間をつくっていただき、ありがとうございます。
「はじめまして。私はコセさんのサイトであなたのページを知り、拝見しました(注1)。あなたのシェリングのページはとても素晴らしく非常に気に入っています。」
―― ありがとうございます。ただ、わたしは英語ができないので日本語の表記しかなく、多くの訪問者をがっかりさせています。
「そう、それがちょっと残念です。彼(通訳の石山さん)に訳してもらうことはできないのですか?」
―― (石山さん:「いや、私はクラシックの素人なので、あのサイトを訳すのはちょっと難しいです。」)
「そうですか。岡本さんのサイトは今までどれくらいの人が訪問したのですか?」
―― 開設して半年で、約4000のアクセスがありました。
「私もホームページを持っています(注2)。私のパートナーのヤスコは、まめにホームページを更新したり、メールを出したりします。私のところにもメールは来るのですが、忙しくてなかなか返事を書くことができません。岡本さんのところには、どれくらいの書き込みやメールが多いですか?」
―― 書き込みは少ないですが、メールは月に20〜30通くらい来ます(注3)。
「ほう、すると、だいたい1日に1通くらいですね。それらはどんな内容のメールが多いですか?」
―― 「○○のCDはどこで手に入れましたか」という問い合わせが多いです。
「おお、なるほど。」
―― 単刀直入に伺いますが、フロシャウアーさんは、シェリングとどんな関係があったのですか?
「私はシェリングに直接ヴァイオリンを習ったことはありません。しかし、何度か会って話す機会を持ちました。私がアメリカで留学中にシェリングに会ったとき、私は彼に対して『あなたにヴァイオリンを習いたいのですが、教えていただけませんか』とお願いしたことがあります。すると、シェリングは『あなたは誰にヴァイオリンを習っているのですか?』と聞いてきました。『ディレイ女史に師事しています』と答えたら、シェリングは、『彼女はとても素晴らしいヴァイオリンの先生なので、私が付け加えてあげるものはなにもありませんよ。』と言って、とても親切な表現で断りました。配慮に満ちた、とても親切な断り方でした」
―― シェリングはどのような人だったのですか?
「とても親切な人です。わたしが子どもの頃から彼はウィーンでは人気がありましたが、親切で、優しかったです。大勢の人がサインを求めて彼に近寄りましたが、彼は全ての人にサインをしてあげました。彼はすごい有名な大家でしたが、決して近寄りがたい存在ではなく、むしろとても近づきやすい人でした。私は、小さいときから彼のことが好きでした。」
―― わたしはシェリングの死後にファンになったため、彼の実演を聞いたことがありません。シェリングの実演は、どのようなものだったのでしょうか?(注4)
「そうですね。EMIから発売されたシェリングのDVDがありますが、あのDVDはシェリングの実演の素晴らしさを伝えています。それから、とても良いビデオがあります。岡本さんは、ベートーヴェンのピアノ・トリオ第3番のビデオをご覧になったことがありますか?」
―― ベートーヴェンのピアノ・トリオのビデオが残っているのですか?
「ええ。ヴァイオリンがシェリング、ピアノがケンプ、チェロは・・・」
―― チェロはフルニエですか?
「いいえ、違います。チェロは、ヘルシャー(Hoelscher)という方が演奏しています。ベートーヴェン・ハウスで録画されたものです」(注5)
―― ヘルシャーさんですか? 初めて聴いた名前です。
「彼は素晴らしい演奏家です。このビデオは、リハーサルの録画なのですが、シェリングたちのコメントが収録されており、とても勉強になります。このビデオによって、シェリングのライブの様子をかなり知ることができるはずです。わたしはこのビデオを日本で入手しましたから、岡本さんも手に入れることができるはずです。ミッテンヴァルトという東京にあるお店に行けばあります。」
―― ミッテンヴァルト? それは、どこにあるお店ですか。
「んーと、そのお店の地図などはウィーンの自宅に置いてきてしまったので、今、お教えすることはできません。帰国したらメールで教えてあげましょう。このお店はとても品揃えが豊富で、たくさんのヴァイオリニストの非常に貴重な録音が店じゅういたるところに陳列されています。とても親切なお店で、試聴することもできるのです。このお店に行けば、いまでもシェリングのビデオを入手することができるはずです。このお店は本当にすごいですよ。シェリングに限らず、驚くほどたくさんの貴重な映像が残っています。絶対に行ってください」(注6)
―― はい。是非、そうしようと思います。ところで、どうしてフロシャウアーさんは、シェリングのことをそんなに詳しくご存知なのですか。
「私は父親が指揮者をしていたので、その関係で色々なことを聞きました。(中略) それに、シェリング夫人ともとても親しくしていて、彼女から教えてもらったことも多いです。」
―― シェリング夫人とはどのような交流があるのですか?
「私はシェリング夫人とは何度か会う機会があり、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のソロを演奏したときには、彼女に助けてもらいました。彼女はとても親切に私の世話をしてくれたし、演奏が終わったときには優しく褒めてくれました。私は、自分のCDができたとき、彼女にプレゼントしました。CDを聞いた彼女は、あとで私の演奏を褒めてくれて、大いに励みになりました。彼女は、シェリングが亡くなった後、シェリングの財団を設立して仕事をしていました。けれども、彼女は、心臓の病気が重くなり、仕事をするのがつらくなったので、シェリングに関する資料を全てアメリカの議会図書館に寄付しました。だから、アメリカの議会図書館にはシェリングのコーナーがあるのですよ。ここには、録音も、写真も、映像も、楽譜も、何もかもがみんなそろっていて、何でも調べることもできます。契約書もありますから、演奏会のギャラの金額を調べることだってできるはずです(笑)。私もシェリング・コーナーで調べたいことがあったので議会図書館に足を運んだのですが、9・11のテロ以後、パスポートを所持していない者は入ることができなくなっていました。そのとき私は、パスポートを持たずに議会図書館に訪れたため、シェリングのコーナーに行くことができませんでした。とても残念でした。」
―― そこで最も知りたかったのは何ですか。
「演奏、特にフィンガリングです。シェリングコーナーには本当になんでもそろっているので、きっと調べることができるはずです。」
―― アリスタ・トリオのホームページを拝見しました。そこには、フロシャウアーさんの好きな作曲家としてストラヴィンスキーの名前が挙がっていました。彼の曲のどんなところが魅力的だと思いますか。
「バッハやベートーヴェンの音楽は、それぞれ個性的ですが、ストラヴィンスキーの音楽も、ちょっと変わっているけれども、彼にしか作れない独特の音楽です。そういう点でとても気に入っています。ところで、岡本さんは、ヒラリー・ハーンのストラヴィンスキーのCDを持っていますか?」
―― はい、持っています。
「私は、彼女がウィーンフィル・ハーモニーで演奏したときに共演したことがあるのですが、彼女はテクニックが完璧で、自信に満ち、堂々としていて、演奏も素晴らしく、まるでシェリングのようだと感じました。」
―― 私も彼女の演奏会に1度足を運んだことがあります。もっとも、彼女は日本でも人気が高いため、なかなかチケットを手に入れることができません。
「それでもあなたはチケットを手に入れて彼女の演奏会に足を運ぶべきです。彼女は本当に素晴らしいヴァイオリニストです。彼女のCDも良いけれども、演奏会で聴く演奏は録音とは全然違います。必ず演奏会には足を運んでください。」
―― はい。必ずそうします。ところで、実は、今日は、フロシャウアーさんにサインをしてもらおうと思って、フロシャウアーさんのCDを持ってきました。
「おお! これらのCDは日本のミタカ(三鷹)で録音したものです。ウィーンでは路面電車が走っているため、レコーディングをすると、マイクが路面電車の音を拾ってしまいます(笑)。ミタカのホール(三鷹市芸術文化センター)はとても素晴らしかったです。」
(フロシャウアーさん、サイン中)
―― (石山さん「今日、ロビーで待っているとき、SPによって厳重に警護されたラムズフェルト国防長官を見ました」)
「(驚いて)え?うそ、ほんと? いつ、どこで見たの?」
―― (石山さん「フロシャウアーさんが来るほんのちょっと前に、ロビーで」)
「ああ、それは残念だったなあ。実は、昨日の公演では日本のコイズミ総理を見たし、ダイアナ皇太子妃やマイケル・ジャクソンを見たこともあったのだけど・・・。ラムズフェルト国防長官はどれくらいの背丈だった?」
―― フロシャウアーさんと同じくらいだったと思います。
「ほんと。彼を見たかったなあ。」
―― 今日はありがとうございました。あなたに会えてとても楽しい時間を過ごすことができました。
「1時間もかけて会いに来てくれてありがとう。バイバイ。」
3 記念写真

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Okamoto (Binwa) |
Mr. Froschauer |
Mr. Ishiyama |
2003年11月15日(土) ホテルオークラロビーにて
4 注釈
(注1)「コセさんのサイト」
The
World Violinist Linksのことです。管理人のA.Koseさんにはいつも大変お世話になっています。わたしがフロシャウアーさんに会うことができたのも、A.Koseさんのアドバイスのお陰です。本当にありがとうございます。
(注2)フロシャウアーさんのホームページ
Arista Trioのホームページのことです。
(注3)月に20〜30通のメール
ああ、何の補足説明もしないでこんなことを言ってしまいました!むしろ、月に3〜4人と言うべきでした。
わたしにはクラシックには何の関心も示さなかった親友がいるのですが、わたしは、この男を約1年がかりでシェリング・ファンに洗脳しまして(笑)、この男は今では血眼になってシェリングの録音を探し回っています。この男は、仕事が休みになると(否、仕事中でも、)御茶ノ水や神保町、荻窪、神田等でCD・レコードを探し回っているんですが、どうも運が悪いらしく、出歩く割りにはシェリングの録音を見つけることができません。この男が、買出し先から携帯でわたしのもとに問い合わせのメールを山のように送ってくるので、メールが月に20〜30通になるのです。この少々迷惑な男(笑)を除けば、メールや書き込みをしてくれる人はそんなに多くありません。
(注4)
趣旨不明瞭な質問でごめんなさい。緊張していると、言葉がうまく出てこないのです。わたしは、「シェリングの生の演奏を聞いて、どんな印象が残っていますか?」と質問したかったのですが、頭が混乱していてこんな質問になってしまいました。
(注5)ベートーヴェンのピアノ・トリオ第3番のビデオ
わたしは、常に田野村さんのリストを印刷して持ち歩いているのですが、わたしが持ち歩いている8月11日改訂のリストにはこのビデオが載っていないため、その存在を知りませんでした。しかし、インタビュー後に田野村さんのページを確認してみたところ、11月13日改訂のリストにはしっかりこのビデオが載っていました。わたし、いつも思うんですが、田野村さんのリストはすごすぎます。印刷しなおさないといけませんね。
(注6)ミッテンヴァルト
インタビュー後、自宅に帰って検索したら同店のホームページを発見しました(→ミッテンヴァルト)。お店に問い合わせたところ、同ビデオは入手可能というお返事なので、昨日(2003年11月23日[日])行って来ました。一言で言ってすごいお店です。品揃えが豊富だし、シェリングの写真が山ほどあるし、ご主人がとても気さくで親切な方だったので、知り合えて本当に良かったです。わたし、このお店の常連客になることに決めました(笑)。
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